重症AL型心アミロイドーシスによる致死性不整脈に植え込み型除細動器を装着後に長期生存している多発性骨髄腫

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term survival of a patient with multiple myeloma-associated severe cardiac AL amyloidosis after implantation of a cardioverter-defibrillator
  • 症例報告 重症AL型心アミロイドーシスによる致死性不整脈に植え込み型除細動器を装着後に長期生存している多発性骨髄腫
  • ショウレイ ホウコク ジュウショウ ALガタシン アミロイドーシス ニ ヨル チシセイ フセイミャク ニ ウエコミ ガタジョサイドウキ オ ソウチャク ゴ ニ チョウキ セイゾン シテ イル タハツセイ コツズイシュ

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抄録

AL型アミロイドーシスは心不全症状を呈する心アミロイドーシスを合併すると極めて予後不良である。予後は半年以内で,多くが突然死する。われわれは初診時,超重症AL型心アミロイドーシス患者(NT-Pro BNP 13,355 ng/l, troponin T 0.16 μg/l, 収縮期血圧100 mmHg)に心不全治療,植え込み型除細動器の装着を行い,4年以上の長期生存している症例を経験した。4年間に心室頻拍に対し抗頻拍ペーシング,心室細動に対し除細動が複数回作動し,ICD埋め込みにより患者の突然死を防ぎえたと考えられる。これまで誌上報告で数例の有効例が報告されているのみで,AL型心アミロイドーシスに対するICDの有用性は定まっていない。近年,新規薬剤の導入により,AL型アミロイドーシスの予後が改善しており,今後,どのような心アミロイドーシス症例がICD埋め込みのよい適応か検討していくことが重要である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 55 (4), 450-455, 2014

    一般社団法人 日本血液学会

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