炎症性ニューロパチーの最新治療の動向

  • 桑原 聡
    千葉大学大学院医学研究院・神経内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Fisher syndrome and Bickerstaff brainstem encephalitis

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抄録

代表的な免疫介在性炎症性ニューロパチーであるギラン・バレー症候群(GBS),慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP),抗MAG抗体をともなう脱髄性ニューロパチーなどについて最近の治療の動向について概説する.GBSに対しては免疫グロブリン療法と血液浄化法の有効性が確立されているが,なお一定数の死亡や後遺症が問題となっており,新規治療として補体阻害剤(抗C5モノクローナル抗体:eculizumab)による治験が英国で開始されている.CIDPは典型的CIDP,多発単ニューロパチー型(MADSAM)などの病型に分類され,典型的CIDPに対する免疫グロブリン療法,血液浄化法,副腎皮質ステロイドの有効性は確立されているがMADSAM型の治療知見は乏しく,新たな治療ストラテジーが必要である.抗MAGニューロパチーに対してはrituximab療法が期待されている.

収録刊行物

  • 臨床神経学

    臨床神経学 54 (12), 1056-1057, 2014

    日本神経学会

参考文献 (4)*注記

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