Assessment of relief from pruritus due to Kampo medicines by using murine models of atopic dermatitis

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抄録

アトピー性皮膚炎は代表的な難治性疾患の一つである。 アトピー性皮膚炎は, 皮膚バリア機能の破壊と免疫異常によって引き起こされ, 激しい痒みを伴う湿疹を特徴とする皮膚疾患である。 皮膚炎の状態は個々で異なり, それに応じた治療法が必要である。 日本の代表的な伝統薬である漢方薬は, 鼻炎や喘息, アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患にしばしば用いられている。 一般的に漢方薬は心身の状態に応じた薬が処方されるので, 薬効の基礎解析には適した動物モデルが必要である。 <br />本検討では, アトピー性皮膚炎の治療に汎用されている 7 つの漢方薬の止痒作用と, 掻痒性湿疹に対する治療・予防効果について, 2 つのマウスモデルを用いて評価した。 その結果, 消風散には単回投与による止痒作用と, 10日間投与による掻痒症状の軽減が認められた。 また, 補中益気湯は掻痒症の発症を軽減させた。 <br />これらの結果から, 消風散や補中益気湯は, アトピー性皮膚炎における慢性掻痒に対して, 既存の薬と同等かそれ以上の抑制効果が期待できると考えられた。

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