ICP-MS半定量法によるキャットフード中有害金属類の同時分析

  • 寺地 智弘
    京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻
  • 西浦 誠
    京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻
  • 舟場 正幸
    京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻
  • 松井 徹
    京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Multi Element Simultaneous Analysis of Toxic Metals in Cat Foods, Using ICP-MS
  • ICP-MS ハンテイリョウホウ ニ ヨル キャットフード チュウウガイ キンゾクルイ ノ ドウジ ブンセキ

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抄録

ICP-MSの半定量測定モードを用いて、20種類の市販キャットフード(ドライフード:10、ウェットフード:10)の有害金属類の同時分析を試みた。健康被害リスクがあるとされる元素の内、Li·B·Al·Ti·V·Cr·Mn·Fe·Co·Ni·Cu·Zn·Ge·As·Se·Rb·Sr·Mo·Ag·Cd·Sn·Sb·Ba·W·Hg·Pb·Biの27元素を対象に、添加回収率、変動係数 (CV)、また、定量測定値との回帰を検討したところ、Li·Al·V·Mn·Co·Cu·As·Se·Rb·Sr·Mo·Cd·Sn·Hg·Pbの15元素で、ドライフード、ウェットフードともに、添加回収率が70%~120%、CVが10%以下であり、定量分析値に対する強い回帰 (r2>0.9) が認められた。また、B·Ti·Fe·Zn·Sb·Baの6元素は、添加回収率が70%以下あるいは120%以上であったものの、定量分析値に対する強い回帰が認められた。Cr·Ni·Geの3元素は、定量性は低い、あるいはキャットフードからはほとんど検出されなかったものの、National Research Council (NRC) の定める、げっ歯類における最大耐容量を添加したところ、添加回収率は82~120%であり、検出可能であった。ICP-MSを用いた半定量分析は、多様な有害金属類によるペットフード汚染を防止する上で有効なスクリーニング手法となりうる可能性が示された。

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