江戸時代初頭における煤鼻(裾花)川の開発形態

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タイトル別名
  • A STUDY ON THE DEVELOPMENT OF SUSOBANA RIVER AT THE EDO PERIOD BEGINNING

抄録

裾花川末流部は,近世初頭に松平忠輝と家臣団により大規模な河川改修が行われているが,これは口碑伝承のみで確かな史料が存在しない.近年の都市開発により,現在の裾花川流域には慶長期の河川構造を確認できる痕跡は少ない.本稿では,地元に存在する江戸時代の古文書と,大正末期の長野市全図で確認できる河道の姿に明治初期の行政文書を加味して,帰納法的に慶長期における煤鼻川開発初期の形態の同定を試みた.その結果,煤鼻川は二線堤構造や霞堤を配置した甲州流の治水技術の流れを汲む工法が用いられていて,甲州系代官衆らにより進められた開発であったと推定できる.同時に旧煤鼻川氾濫地帯に北国街道丹波島・善光寺宿ルートが開設されるともに窪寺堰が開鑿されていることから,これらは治水・利水・街道整備を含めた総合開発であった.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680332837760
  • NII論文ID
    130004962005
  • DOI
    10.2208/jscejhsce.69.104
  • ISSN
    21856532
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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