持家住宅分布からみた東京大都市圏の地域構造

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  • REGIONAL STRUCTURE OF METROPOLITAN TOKYO AS SEEN FROM THE DISTRIBUTION OF OWNER-OCCUPIED HOUSES
  • モチイエ ジュウタク ブンプ カラ ミタ トウキョウ ダイトシケン ノ チイキ

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抄録

本研究は,メッシュデータを利用し,住宅環境要素を示す社会・経済および自然条件と持家住宅立地との関係を, 1975年の東京大都市圏において検討し,その関係の解明を通して,東京大都市圏の地域構造を明らかにしようとしたものである.<br> まず初めに,東京大都市圏の持家住宅分布を方向・圏域別に検討し,持家住宅分布が示す地域的差異を把握した.それによると,持家住宅の分布密度は,西郊と南郊で高く,東郊と北郊が低いのに対し,持家住宅が全住宅に占める割合は,東郊と北郊で高く,西郊と南郊で低いなど,対照的ともいえる地域的差異のあることが明らかになった.<br> 次に,このような持家住宅分布の地域的差異が,各地域におけるさまざまな住宅環境要素と持家住宅立地とのかかわり方の差異に帰因すると想定し,主成分分析により要約された住宅環境要素と,持家住宅数との関係を回帰分析によって検討した.そして,残差に基づいて地域の類型化を行ない,地域構造の把握を試みた・この分析の結果,西郊では東京都心から約12kmの範囲まで,各類型が同心円状の配列形態を示し,その外側で扇形状の配列形態を示すのに対し,東郊は東京都心に近接した4km以遠の範囲から扇形状の配列形態を示すことが明らかになった.この配列形態に表われた地域構造の差異は,東京都心との結びつきの強さが方向によって異なるために形成されたと考えられる.

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