当科における上皮小体温存の実際

  • 福島 俊彦
    福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座 福島県立医科大学医学部器官制御外科学講座
  • 鈴木 眞一
    福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Our procedure of preservation of parathyroid glands in thyroid surgery
  • トウ カ ニ オケル ジョウヒ コテイ オンゾン ノ ジッサイ

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抄録

永続的上皮小体機能低下症は,甲状腺手術において避けるべき合併症の一つである。本稿では,当科で行っている上皮小体温存手技の実際を解説する。1.Capsular dissection:要点は,膜解剖の正確な把握である。Surgical thyroid fasciaとtrue thyroid fasciaを確認し,その間で,剝離操作を行う。これにより,自ずと上皮小体はin situに温存できる。加えて,反回神経はsurgical thyroid fasciaと同じ層で温存されることになる。2.上皮小体の自家移植:中心領域のリンパ節郭清を併施する場合,下腺の血流は犠牲にせざるをえないことが多いので,摘出しmincingしたものを胸鎖乳突筋内に自家移植する。胸腺舌部に迷入している下腺も可及的に確認し,同様に自家移植する。3.Surgical loupeの使用:高解像で明るい2.2倍レンズのloupeとloupe装着型のLEDライトを好んで使用している。これにより,明視野下に膜解剖の認識が可能である。

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