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- 拝田 龍之
- 九州大学歯学部第1口腔外科学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- A Longitudinal Roentgen-Cephalometric Analysis of the Craniofacial Morphology in Infants with Cleft Lip and/or Palate
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抄録
唇顎口蓋裂患者の頭蓋顔面形態におよぼす先天的要因と後天的要因の影響の程度を明らかにするために,唇顎口蓋裂児123名の口唇形成手術時,口蓋形成手術時および4歳時の側貌および正貌の頭部X線規格写真について,破裂の部位と口唇の裂の完全度に基づいて分けた群問の比較を行い,さらに4歳時の非破裂児の資料との比較も行って,各破裂型における形態の推移を検討した.<BR>唇顎口蓋裂児は,口唇あるいは口蓋の形成手術前既に破裂の部位と口唇の裂の完全度に応じた特徴的な頭蓋顔面形態を示し,そのような特徴的な形態は手術が終了した後の4歳時においてもほとんど変化が無かった.すなわち術前術後を通して,口唇の裂を伴うものでは,口蓋前方部が上方に位置し,眼点は前頭蓋底に対して後方に位置し,左右眼窩間距離は大きく,上顎前歯は舌側へ傾斜していた.口唇口蓋いずれの裂も伴うものでは口蓋後方部も上方に位置していた.また,口蓋裂単独例では対照群,口唇あるいは口唇口蓋裂群に比べ,頭蓋から上顎にかけての前方への成長抑制が認められたが,口蓋の高さは対照群と差が無かった.そして,一般に口唇の裂が完全なものは不完全なものに比べ,術前から上顎の前方および下方への成長が劣っていた.<BR>術後傾向が変化したのは,上顎歯槽部幅径で,術前は破裂の部位が広範なもの程大きい値を示したが,術後差が無くなっていた.また,上顎前歯の舌側傾斜角の増加も,破裂の部位が広範なもの程小さい傾向を示した.
収録刊行物
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- Journal of Japanese Cleft Palate Association
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Journal of Japanese Cleft Palate Association 10 (2), 130-160, 1985
Japanese Cleft Palate Association
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680429176064
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- NII論文ID
- 130004988239
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- ISSN
- 03865185
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可