自然発生口唇裂口蓋裂マウス(CL/恥A/J系)の口唇裂発生に関する形態学的研究

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  • The Morphological Study on the Development of Cleft Lips in Spontaneous Cleft Lip and/or Palate Mice
  • CL/Fr and PO strains

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抄録

遺伝的関与の高い,自然発生口唇裂に関する因子を追及する目的で,口唇裂口蓋裂自然発生マウスであるCL/Fr系,A/J系マウスと対照群のddY系マウスを用い,胎齢,尾体節数を基準として上唇形成過程を比較し,以下のごとき結果を得た.<BR>1.CL/Fr系,A/J系はddY系と比べ,着床後の吸収,死亡率が高く生存率は低下傾向にあった.<BR>2.胎仔の口唇裂の披裂形態はCL/Fr系,A/J系とも両側性口唇裂の割合が高かった.また,ddY系には口唇裂は一頭も認められなかった.<BR>3.胎齢経過過程において,CL/Fr系,A/J系は,ddY系に比べ,頂讐長,尾体節数において発育の遅れが認められた.さらに,CL/Fr系とA/J系の比較においては,CL/Fr系にいっそうの発育の遅延が認められた.<BR>4.顔面ステージによる分類では,同一尾体節数において,CL/Fr系,A/J系は,ddY系に比べ顔面発育ステージが遅延する傾向にあった.CL/Fr系とA/J系との比較においては,CL/Fr系に若干の形成の遅れが認められた.<BR>5.顔面隆起の発育の方向において,ddY系およびCL/Fr系,A/J系の正常群では内,外側鼻隆起が引きつけ合うように癒合しているのに対し,CL/Fr系,A/J系の口唇裂群では,内側鼻隆起の外側への発育が悪く,下方へと発育し,経時的に内,外側鼻隆起の離開は進行していた.<BR>6.ddY系およびCL/Fr系,A/J系の正常群のイスマス部での癒合にあたって,細胞が経時的変化を示しているのに比べ,CL/Fr系,A/J系の口唇裂群においては,正常群で観察された変化が認められなかった.

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