仮名文字の習得が遅れた特異的言語発達遅滞の一例

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  • A case of specific language impairment with kana reading difficulty

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抄録

  仮名単語が読めず,逐字読みとなった 6 歳の男児例を経験し,音声言語評価に加えて,認知心理学的発達評価を行ったので,訓練経過も含めて報告する。<br/>  文字言語において,仮名 1 文字の音読は 1 字を除いて可能であったが,単語では逐次読みになり,全体読みができず流暢に読めない状態で読解も困難であった。<br/>  本例の動作性知能は正常範囲内であり,言語性知能は境界域で語彙理解年齢は年齢に比して低下を認めたことから特異的言語発達遅滞を呈していると考えた。<br/>  認知心理学的発達検査から視覚情報処理に比し音韻情報処理の遅れ,とくに音韻分解能力,言語性短期記憶の障害,さらに語彙不足による音読障害が示唆された。

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