重症急性中耳炎と伝染性単核球症が合併した 1 例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A case of severe acute otitis media complicated by infectious mononucleosis

この論文をさがす

抄録

  小児急性中耳炎の第一選択剤としてはペニシリン系抗菌薬(PCs)が推奨されている。一方伝染性単核球症において PCs は高率に皮疹を生じるため禁忌である。今回重症急性中耳炎と伝染性単核球症が合併した 1 例を経験した。症例は 1 歳 2 ヶ月女児で発熱,鼻汁,不機嫌を主訴に受診した。局所所見で小児急性中耳炎ガイドライン2013年版で重症と判定される右急性中耳炎および急性咽頭・扁桃炎を認めた。血液検査でリンパ球優位の白血球上昇がみられたため,肝機能検査,Epstein-Barr(EB)ウイルス抗体検査を行うとともに,cefditoren pivoxil を投与した。細菌検査では中耳貯留液より Streptcoccus pneumoniae が検出された。血液検査では肝機能低下,異型リンパ球,EB ウイルス感染を認め伝染性単核球症と診断された。急性中耳炎症例において,急性咽頭・扁桃炎の所見がみられた場合は,伝染性単核球症を疑い十分な除外診断を行う必要があると思われた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ