慢性透析患者に合併した早期胃癌に対し腹腔鏡下胃局所切除術を施行した1例

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  • A Case of Laparoscopic Local Resection for Early Gastric Cancer in a Hemodialysis Patient

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抄録

慢性透析患者に発症した早期胃癌に対しLesion Lifting法による腹腔鏡下胃局所切除術を施行した1例を経験したので報告する。症例は68歳, 男性, 糖尿病性腎症にて体外超濾過法を受けていた。腹部膨満感が出現したため上部消化管内視鏡検査を施行したところ胃体下部前壁に深達度m, IIc型胃癌が発見された。術前病変部をマーキングし, 腹腔鏡下にLesion Lifting法を用い病変部を切除した。手術時間は65分, 病理組織診断は深達度mの印環細胞癌であった。早期胃癌に対しEMRは広く行われているが, 切除範囲や組織型により適応が限定される場合がある。これに対して腹腔鏡下胃局所切除術は十分な切除が可能となる。われわれは深達度m, 陥凹性病変であれば15mm以下, 潰瘍を伴わないことを条件に腹腔鏡下胃局所切除術を施行している。今回の症例は透析を行っており, 手術侵襲を軽減する意味でも本術式は利点が多く, 有用な治療法と考えられた。

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参考文献 (17)*注記

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