ネズミコリネ菌経口感染におけるマウス系統間の感受性の差異

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タイトル別名
  • Differences in Susceptibility of Mice among Various Strains to Oral Infection with <I>Corynebacterium kutscheri</I>
  • ネズミコリネキン ケイコウ カンセン ニ オケル マウス ケイトウカン ノ カ

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抄録

ネズミコリネ菌の経口感染における, マウス系統間の感受性の差異を調べるために, 10系統の雌マウスに4×105.0CFUのネズミコリネ菌を経口感染させ, 感染4週目まで病変の有無, ネズミコリネ菌の定着性および凝集抗体を調べた。肉眼的病変はBALB/c-nu/nuで12/20匹 (60.0%) と他の9系統に比べ有意に多く観察され, また, CBA/Nで5/20匹 (25.0%) とBALB/cCr, C57BL/6Cr, B10.BR/SgSn, ddY系およびICR系に比べ有意に多かった。ネズミコリネ菌の定着性ではBALB/c-nu/nuが19/20匹 (95.0%) と最も高く, 次いでA/J15/20匹 (75.0%) , CBA/N13/20匹 (65.0%) , MPSとBALB/cCr11/20匹 (55.0%) , C3H/He6/20匹 (30.0%) の順であったが, C57BL/6Cr, B10.BR/SgSn, ddY系では15%以下と低率で, ICR系では菌分離個体は認められなかった。一方, 生存個体における凝集抗体の検出率は各系統とも2割以下と低率で, 系統間で差はなかった。これらの結果から, 雌マウスのネズミコリネ菌の経口感染における感受性には系統差が認められ, 本菌の定着性から判定すると, BALB/c-nu/nu, A/J, CBA/N, MPSおよびBALB/cCrでは感受性傾向に, C57BL/6Cr, B10.BR/SgSn, ddY系およびICR系では抵抗性傾向にあり, C3H/Heでは中間型であることが示唆された。また, BALB/c-nu/nuにネズミコリネ菌が感染すると重篤な疾病となることが伺えた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 42 (4), 539-545, 1993

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (3)*注記

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