ラット口蓋に埋入したインプラント周囲粘膜上皮における 初期のinvolucrin とfilaggrin の発現

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  • Immunohistochemical Expression of Involucrin and Filaggrin at the Peri-Implant Epithelium Implanted in the Rat Palate in Early Stage

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抄録

目的:本研究の目的は,インプラント周囲上皮のinvolucrin とfilaggrin の発現の局在を検索することである.<br/>材料および方法:直径2 mm,長さ5 mm のチタン製インプラントをラット口蓋に埋入した.実験動物はインプラント埋入後3,7,14,28 日に屠殺した.パラフィン切片を作製し,HE 染色およびinvolucrin あるいはfilaggrin を用いた免疫組織化学的染色を行った.<br/>結果:インプラント埋入3 日例におけるインプラント周囲上皮におけるinvolucrin は上皮層のほぼ全層に陽性反応を示したが,7,14,28 日例では有棘細胞層の上層にのみ陽性を示した.さらに,インプラント埋入3 および7日例ではinvolucrin 陽性細胞がインプラント周囲上皮のインプラント体先端側で観察されたが,14 および28 日例ではインプラント周囲上皮の根尖側に陽性細胞はみられなかった.また,involucrin の陽性範囲は経時的に減少していた.filaggrin は正常な上皮棘細胞層上層に陽性を示していたが,インプラント周囲上皮では3,7,14 日例および28 日例の根尖側で陰性を示した.<br/>結論:インプラント体根尖側におけるインプラント周囲上皮は,インプラントに接する部において基底細胞が接しており,分化途中であり,角質層のバリアとしての機能が低いことが示唆された.

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