Langer-Giedion 症候群に埋伏過剰歯・ 永久歯萌出遅延・叢生を認めた1例

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タイトル別名
  • Impacted Supernumerary Tooth, Delayed Tooth Eruption,and Crowded Teeth in Langer-Giedion Syndrome
  • Case Report

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抄録

Langer-Giedion 症候群は,毛髪鼻指節症候群Ⅱ型に分類される遺伝性疾患である。本疾患では8q23.3−8 q 24.11 領域が欠失し,同領域に含まれるTRPS1 およびEXT1 遺伝子の機能喪失が原因と考えられている。主な症状は,頭部顔面の異常・低身長・精神発達遅滞・多発性軟骨性外骨症である。しかし染色体欠失領域の長さには個体差があり,TRPS1 およびEXT1 以外にも影響を受ける遺伝子があると考えられ,表現型は多様である。我々はLanger-Giedion 症候群の11 歳6 か月の男児に埋伏過剰歯・永久歯萌出遅延・叢生を認めた1 例を経験したので報告する。埋伏過剰歯は43の歯胚間に1 歯認めた。EEおよびEDCCDEが残存し,64211236および621126が萌出していた。2は1の口蓋側に転位し,完全に重複して萌出していた。本症例では精神発達遅滞が軽度であったため,まず外来でのTSD 法を主とした行動変容法を併用し,齲蝕治療を行った。また初診から1 年後に外来局所麻酔下にて埋伏過剰歯を抜去した。術中,術後とも全身状態の悪化なく,創傷治癒は良好であった。今後も口腔衛生指導を継続しながら経過観察を行う方針である。

収録刊行物

  • 小児歯科学雑誌

    小児歯科学雑誌 51 (4), 467-472, 2013

    一般財団法人 日本小児歯科学会

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