ヒメダカDNAマイクロアレイによる17β-トレンボロンの総合的影響評価
書誌事項
- タイトル別名
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- Transcriptomic responses in Japanese medaka (Oryzias latipes) exposed to 17β-trenbolone
抄録
近年、環境中の男性ホルモン様物質である17β-Trenbolone(TB)が生態環境に及ぼす影響が問題にされている。TBの影響に関する研究は、これまで視床下部・下垂体・性腺軸(HPG axis)や卵形成に関与する遺伝子発現解析が中心であった。本報告では、ヒメダカをTBに暴露し、DNAマイクロアレイを用いてTBがヒメダカに及ぼす影響を総合的に検討した。孵化直後のヒメダカに各濃度(0, 2, 6, 20, 60, 100, 200 ng/L)のTBをそれぞれ7日間暴露した。曝露後、各メダカサンプル(各30匹)をセラムチューブに入れ、液体窒素中で凍結した。凍結サンプルからTotal RNAを抽出し、Cy3標識cRNAを作製した。精製したCy3標識cRNAを36398のプローブを搭載したメダカDNAマイクロアレイスライド(化学評価研究機構開発、Agilent社製)にハイブリダイゼーションさせ、遺伝子発現解析を行った。これらの結果を用いて濃度依存的な発現傾向解析を行ったところ、2つのグループに分けられた。一つはTBの濃度依存的に遺伝子発現量が増加するグループであり、117遺伝子検出された。他方はTBの濃度依存的に減少するグループであり、32遺伝子検出された。Gene ontologyを基に生物学的プロセスのカテゴリー分けを行うと、“脂質代謝”に関与する遺伝子が最も多く、26遺伝子検出された。中でも“コレステロール合成”に関与する遺伝子が顕著に誘導され、hydroxymethylglutaryl-CoA synthaseなどを含む15遺伝子が検出された。これらの結果はRT-PCRによっても再現性が確認された。一方HPG axisに関与する遺伝子はほとんど変動しなかった。またvitellogeninなど卵形成に関与する遺伝子の抑制が確認された。これらの結果からTBはメダカのコレステロール合成に関与する遺伝子に影響を与えることが示唆される。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 39.1 (0), P-131-, 2012
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205546320896
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- NII論文ID
- 130005008729
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可