Local Lymph Node Assay (LLNA) の媒体としてのテトラヒドロフランの検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Tetrahydrofuran: examination of vehicle for local lymph node assay
抄録
【目的】Local Lymph Node Assay(LLNA)は、被験物質を媒体に溶解あるいは懸濁させ、その被験液をマウスの耳介に塗布し、所属リンパ節の細胞増殖を指標に皮膚感作性を評価する試験である。媒体は、最も一般的なacetone/olive oil(AOO)に加え、 dimethyl sulphoxide (DMSO)、N,N-dimethylformamide、propylene glycol、methyl ethyl ketoneが試験法ガイドラインで推奨媒体として挙げられているが、疎水性の高い被験物質では、これら媒体に溶解あるいは懸濁させることが出来ない。そこで、疎水性の高い被験物質をLLNAで評価するために、Tetrahydrofuran(THF)が媒体として使用可能かどうか検討した。<br>【方法】THFをマウスの耳介に3日間連続で塗布した後、耳介の浮腫にて刺激性を評価した。次に、皮膚感作性の陽性対照物質であるHexylcinnamic aldehyde(HCA)をAOO、DMSO、THFのそれぞれの媒体に溶解させて、所属リンパ節の細胞増殖および網羅的遺伝子発現プロファイルを媒体間で比較した。<br>【結果・考察】THFによる耳介の浮腫は認められなかった。HCAを用いた評価では、いずれも媒体でも陽性と判定され、用量反応性も同様であった。また、採取したリンパ節における遺伝子発現プロファイルを階層的クラスタリング解析した結果、媒体のみ投与の場合ではいずれの媒体にも差はみられなかった。また、HCAを溶解した被験液の場合、THFはDMSOよりもAOOに近い発現パターンを示した。以上から、THFは陽性対照に対してAOOおよびDMSOと同等の結果を示し、所属リンパ節の遺伝子発現でもAOOやDMSOと差を認めなかったことから、THFをLLNAの溶媒に使用することは可能と考える。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 39.1 (0), P-61-, 2012
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205546040576
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- NII論文ID
- 130005008904
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可