HepG2細胞を用いたHigh Content Analysis Systemのミトコンドリア毒性評価系としての有用性検討

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タイトル別名
  • High content analysis system using HepG2 cells to detect mitochondrial toxicity

抄録

【緒言】薬物性肝障害の一つの原因として,ミトコンドリア毒性との関連性が考えられている.ミトコンドリア毒性を細胞レベルで検出する方法として,ミトコンドリアの形態や糖代謝への影響等,多種多様な方法が用いられているが,その検出力については明らかではない,今回我々はミトコンドリア膜電位(Mitochondrial Potential: MP)を指標として,HepG2細胞を用いたHigh Content Analysis (HCA) systemにより既知ミトコンドリア毒性物質23化合物と非ミトコンドリア毒性物質7化合物の評価を行い,HCA法の有用性を検証した.<br>【材料及び方法】HepG2細胞を384ウェルプレートに播種後1日目に,被験物質(各10濃度)を1,24及び72時間曝露した.その後,MitoTracker RedTM及びHoechst 33342を用いて,それぞれミトコンドリア及び核を蛍光染色した.細胞固定後にArrayScan VTIを用いてMPへの影響を画像解析により評価した.<br>【結果及び考察】既知ミトコンドリア毒性物質23化合物のうち19化合物(82.6%)において濃度依存的なMPの低下が認められた.これらの多くは脱共役剤やミトコンドリア複合体阻害剤など、電子伝達系を直接的に阻害する作用が知られているものであった.MP低下がみられなかった4化合物は,β酸化阻害作用やミトコンドリアDNA合成阻害作用が報告されている物質であった。一方,非ミトコンドリア毒性物質7化合物では,いずれもMPの低下は観察されなかった。以上の結果から,MPを指標とする本試験系はミトコンドリア毒性を評価する一手法として有用であることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205546014464
  • NII論文ID
    130005008910
  • DOI
    10.14869/toxpt.39.1.0.p-67.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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