経皮的抹消神経電気刺激とSJFが腰痛症状に及ぼす影響:腰痛の早期治療効果のために

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抄録

【目的】腰痛症の痛みは1次痛と2次痛に分けることができる.1次痛とは組織損傷からくる痛みであり,2次痛は1次痛から来る障害(筋スパズム・関節機能異常等)から来るものである。1次痛に対して薬物療法・物理療法を行い,2次痛に対し運動療法を行っているが物理療法と運動療法の相乗効果を検討することは重要である.本研究では経皮的末梢神経電気刺激法(以下TENSと略す)を併用しながらSynobial joint facilitation(以下SJF略す)を使用し関節機能異常へのアプローチを行いSLR・傷みへの影響について調査し物理療法と運動療法の併用効果について検討した.<BR><BR>【方法】対象は急性腰痛患者28名を被験者とし,TENS使用とSJF治療併用群(14名 平均年齢71歳±13)とSJF単独群(14名 平均年齢73歳±12)と分けた.TENSはOG技研製のパルスキュアー・プロを使用した.脊柱起立筋に装着しTEMS刺激条件として頻度は100Hz,強度は閾値までとした.治療前後のSLR・VASの変化に対してt検定を行を用い5%水準以下を統計学的有意の基準とした.<BR><BR>【結果】SLRはTENS使用群が65.3±6.4°から82.5±12.8°.VASは3.7±2.7cmから1.8±1.7cmと単独群はSLRが61.3±7.1°から71.2±8.6°.VASは3.5cm±1.2から2.5cm±0.6とそれぞれ有意な低下を示した.(P<0.05)<BR><BR>【考察・まとめ】TENSの鎮痛機序として神経性および内因性疼痛抑制メカニズムが考えられている.神経性機序としてはMelzackが提唱したシナプス前抑制による門制御理論により痛みを減少させる.すなわち脊髄後角中の膠様質細胞からT細胞に対しシナプスに前抑制がかかるため1次痛に対し直接作用することができる.また痛みを抑えることにより筋緊張亢進をも抑制させることができた.J.McM.Mennellは関節に病理学的変化がなくても関節包内運動の機能障害により痛み・皮膚の質的変化・過敏な感覚、筋肉の異常な緊張が生じそれらを関節機能異常と述べている.腰痛症の患者は組織損傷や関節機能異常・筋スパズムが混在し,相互に痛みの悪循環を形成している.TENSを併用し関節機能異常を治療すると,1次痛・2次痛の減少,筋緊張の抑制,関節可動域の改善に効率よく作用することが示唆された.TENSは短時間の疼痛軽減効果はあるが持続性に欠けるといわれている.しかし物理療法と運動療法を併用すると相乗効果として有効な結果を出すことができる.より効果的な治療を行うには物理療法・運動療法・ADL訓練等を組み合わせ相乗的な効果を上げる治療を考えなくてはならない.今後の課題として治療効果が治療日数の減少に結びつくのか等、臨床に即した効果を検証し続けたい.<BR><BR>

収録刊行物

  • 日本理学療法学術大会

    日本理学療法学術大会 2006(0), F1015-F1015, 2007

    JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION

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