しゃがみ動作の際に生じる頚部運動の可動性について
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- 岡田 覚
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 上原 一将
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 宮本 謙司
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 鈴木 文子
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 上原 朋子
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 塚田 和香子
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 山口 厚佑
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 齋藤 千津子
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 中川 美緒
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 津野 竜馬
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 平松 隆洋
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 新田 智裕
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院リハビリテーション科
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- 鈴木 貞興
- 昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーション部
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- 澤井 崇博
- 医療法人社団博慈会青葉さわい病院整形外科
抄録
【はじめに】<BR> 我々は、下肢・体幹・頚部機能の相互関係を評価する一手段として、しゃがみ動作の観察を用いている。立位での骨盤傾斜の違いにより、頚部可動性は異なり、しゃがみ位での頚部角度に影響を与えているのではないかと考えた。本研究の目的は静止立位における骨盤肢位の違いが、しゃがみ込み動作の際に生じる頚部可動性と関連するかについて検討することである。<BR><BR>【方法】<BR> 研究の実施にあたって、対象者に対し十分に説明を行い、同意を得た。対象は、疼痛や可動域制限の要因となる疾患などを有しない健常成人20名である。<BR>被験者の静止立位としゃがみ位の静止画像を、矢状面からデジタルスチルカメラにて3回撮影した。姿勢条件は、静止立位では前方注視、膝関節伸展位とした。しゃがみ位では、足底全接地にて最大限に殿部を床へ近づけた状態とした。<BR>静止立位の画像から1)上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)を結んだ線が水平線と成す角度(骨盤傾斜角度)を、立位・しゃがみ位の画像から、2)C7棘突起と頭頂を結んだ線が水平線と成す角度(頭頚角)を、画像処理ソフトウェアImage Jを用い測定した。<BR>立位としゃがみ位、各々の頭頚角の平均を求め、それらの差を頚部可動性とした。頚部可動性の極性は正が伸展、負が屈曲とした。<BR>静止立位における骨盤傾斜角の結果から10゜を基準値として、被験者を骨盤前傾群、骨盤後傾群に分類した後、頚部可動性を2群間で統計学的に比較検討した。統計解析は対応のないt検定を用い、有意水準5%とした。<BR><BR>【結果】<BR>Image Jを用いた画像処理の測定再現性は、ICC(1,1)=0.89であった。骨盤前傾群は10名(男性4名、女性6名、年齢26.1±2.7)、骨盤後傾群は10名(男性6名、女性4名、年齢27.8±5.3)であった。<BR>骨盤前傾群の頚部可動性は平均値21.8±12.0゜、骨盤後傾群では平均値24.9±16.5゜であり、有意差を認めなかった。<BR><BR>【考察】<BR> しゃがみ位では、全被験者が頚部の伸展を呈していたが、静止立位における骨盤傾斜による違いは認められなかった。本研究においては、静止立位の骨盤傾斜としゃがみ動作の際に生じる頚部可動性との関連を確認することは出来なかった。今回、有意差は認められなかったが、立位における頚部角度としゃがみ位での頚部角度の差だけでなく、立位、しゃがみ位での骨盤傾斜を決定させうる機能的側面やしゃがみ動作中での頚部、骨盤角度の変化、動作中の軌跡なども検討し、骨盤傾斜と頚部可動性についてより明確にしていきたいと考える。<BR>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2007 (0), A1100-A1100, 2008
公益社団法人 日本理学療法士協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205566107520
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- NII論文ID
- 130005015030
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可