炭酸飲料の嚥下時における舌圧特性

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Tongue pressure of carbonated drink at swallowing

抄録

【目的】 咀嚼・嚥下過程において、舌は重要な役割を果たす。しかし、嚥下時の舌運動の定量的な評価は困難であり、まだ多くの課題がある。小野らは舌と口蓋の接触様相の定量評価が可能な簡便な圧力センサ型の測定装置を開発し報告している。本報告では、二酸化炭素の溶解圧が異なる炭酸飲料について、舌圧力センサシートを用いて嚥下時の舌運動を定量的に評価し、咽頭部における炭酸飲料の移動速度との関係について検討した。<br>【方法】 試料は原料が同一で、ガスボリューム0、1.5、2.7の3種類の炭酸飲料(以後、GV0、GV 1.5、GV 2.7とする)とした。T字型に5個の感圧点を配列した薄い舌圧センサシートを硬口蓋に添付し、炭酸飲料嚥下時に発生する舌圧を解析した。併せて、咽頭部における食塊通過時の最大速度を測定し、官能評価を実施した。<br>【結果】 炭酸飲料嚥下時の舌の硬口蓋への接触順位は硬口蓋正中部では前方部、中央部、後方部と、前方から後方へ向かって舌圧が発生した。硬口蓋後方周辺部への接触は硬口蓋中央部接触後であった。舌の接触順位にはガス圧による差は認められなかった。舌圧発生の持続時間はガス圧によらず硬口蓋後方中央部が最も短く、どの部位においてもGV 1.5とGV 2.7はGV 0よりも有意に長かった。舌圧のピーク値は、全ての部位においてGV 1.5とGV 2.7がGV 0よりも有意に大きかったが、部位による相違は認められなかった。官能評価においては、GV 1.5とGV 2.7はGV 0と比較し、飲み込み難く、スーと飲み込めないと評価された。咽頭部での炭酸飲料の最大速度は、GV 2.7はGV 0よりも有意に速かったが、GV 1.5では他の炭酸飲料との間に有意差は認められなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691692928
  • NII論文ID
    130005044209
  • DOI
    10.11402/ajscs.25.0.191.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ