原木市場における檜皮剥皮木の評価(II) ―剥皮木の価格分布と買方による評価―

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タイトル別名
  • The Estimation for Barked Cypress Timber in the Timber Market II -Price Distribution and the Buyers' Estimation-

抄録

檜皮剥皮木が伐採されて木材市場に出荷された場合、丸太としていかなる評価を受けるのか、京都府の木材市場において検討した。同じ日同じ市に出荷された、特定の檜皮剥皮木林分のヒノキと、剥皮されていないその他のヒノキとの価格分布の違いを比較したところ、30センチを超える径級においては、むしろ他のヒノキ材より高価格を形成していた。またヒノキ材の購入者に、節の有無や曲りの有無といった材質の基本的な評価基準に加えて、「剥皮されていること」をどの程度マイナスに評価するか尋ねた。フリッチや和室造作などの品目を生産する製材業者の場合、剥皮木で生じがちなヤニツボなどの欠点を回避するために購入を控える傾向が見られたが、30センチをこえる径級の買い手の中には、社寺仏閣や文化財建造物の修理用材を生産している製材業者がおり、太丸太として特殊な需要の場合、剥皮木であることのマイナス評価は、あまり大きくないことがわかった。今回の事例では、剥皮されたヒノキとその他のヒノキとで径級分布が異なるため、丸太価格の形成に剥皮がどの程度に影響するか、十分な知見は得られなかった。より多くの事例を収集し検討を重ねる必要がある。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683622528
  • NII論文ID
    130005048202
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.103.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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