遺伝子組換え技術による雄性不稔スギの作出

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タイトル別名
  • Production of genetically modified male sterile Sugi (<I>Cryptomeria japonica</I>)

抄録

近年深刻化しているスギ花粉症問題対策として、我が国では自然界からスギ雄性不稔変異体が複数単離されている。しかしながら、これらは劣性形質であり、本来利用すべき成長や材質形質に優れる品種へ交雑育種により導入するには長い育種年限を必要とする。そこで本研究では、雄性不稔性を付与した遺伝子組換えスギの作出を試みた。まず、雄花で花粉形成期に特異的に発現する遺伝子をスギESTデータベースおよびサブトラクション法により4遺伝子単離し、これら遺伝子のプロモーター(転写制御領域)に致死誘導遺伝子であるBarnase(RNA分解酵素)をそれぞれ連結した。また、異所的なBarnase発現を抑制する目的で、Barnaseの阻害因子であるBarstarを全身で発現するコンストラクトを作製し、Barnaseとともにスギとモデル植物であるシロイヌナズナへアグロバクテリウム法により遺伝子導入した。その結果、シロイヌナズナではいずれのコンストラクトも雄性不稔性が確認された。一方、スギにおいては得られた組換え体を特定網室にて栽培し、ジベレリンによる着花誘導を行った。現在、花粉形成について経時的に調査を行っている。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680684060288
  • NII論文ID
    130005048255
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.151.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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