千葉県柏市の森林における放射能汚染の実態

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Radiation contamination of forests in Kashsiwa city, Chiba prefecture

抄録

柏市を含む千葉県東葛地域は、周辺地域に比べて高濃度の放射能汚染がみられる「ホットスポット」となっている。開発が進む柏市北部に残された都市近郊林「こんぶくろ池自然博物公園」、「大青田の森」、「東大柏キャンパス」の3か所を調査地として、森林内の放射能汚染の実態を調査した。林内の空間線量は0.2~0.3μSv/h前後で同地区の芝生地等に比べてやや低く、樹冠による放射性セシウムの遮断が示唆された。樹幹のセシウム濃度は、樹幹上部の外樹皮で最も高く、材部では低濃度であったが、2011年の年輪の一部や2012年の当年枝からも検出され、樹皮や土壌からの吸収と新梢への転流が示された。土壌のセシウム濃度は、A0層のリターと腐植層で数千~1万Bq/kgで、下層ほど低かった。2011年秋の落葉は、コナラなどの落葉樹で低く、スギ・ヒノキで高かった。落葉樹の2012年の落葉はさらに濃度が低下した。2011年、2012年に採集したミミズおよび地表徘徊性甲虫類で数百~数千Bq/kg、キノコでは腐生菌、菌根菌ともに数千~数万Bq/kg(乾重当り)の高い濃度を示した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683212288
  • NII論文ID
    130005048507
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.379.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ