海水による冠水が東日本太平洋沿岸域に分布する樹種の生理・生存におよぼす影響 Ⅱ 樹体内の塩集積

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タイトル別名
  • Effects of sea-water flooding on physiology and survival of woody plants distributed along the coastal area of the Pacific Ocean in eastern Japan. 2.Salt accumulation in plant organs

抄録

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震により起こった巨大津波は、東北地方の海岸地帯に多大な被害を及ぼした。この津波により海岸林も大きな被害を受けており、物理的な被害に加え、海水による塩害による枯死が見られた。今後,耐塩性の高い樹種で海岸林を形成するためには正しい耐塩性樹種のデータが必要である.本研究では日本の東北地方の海岸に生育する17樹種の苗木を海水に浸漬し、各樹種の耐塩性を比較するとともに、陽イオン分析を行うことにより樹体内における塩集積について考察した。カチオン分析は苗木を24時間海水に浸漬した後、直ちに収穫した試料について行った。その結果、海水浸漬処理区における葉のNa+含有率は対照区と比較して著しく高い値を示した。各樹種を比較すると、ヤマザクラやクリなどの落葉広葉樹で特に高い値を示し、一方でクロマツやアカマツなどの針葉樹、ヤブツバキやトベラなどの常緑広葉樹では低かった。海水によるNa+の吸収・蓄積機構は樹種間で著しく異なることが推察された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682266240
  • NII論文ID
    130005048610
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.472.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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