海水による冠水が東日本太平洋沿岸域に分布する樹種の生理・生存にお よぼす影響 III. 樹液流動態

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タイトル別名
  • Effects of sea-water flooding on physiology and survival of woody plants distributed along the coastal area of the Pacific Ocean in eastern Japan III. changes in sap flux velocity

抄録

津波による海岸林の被害は、流失や倒伏によるものは一時的であるのに対し、塩害や冠水による被害はある程度時間が経過してから見えることが多く、被害状況の把握が難しい。今後被災地の海岸林において修復・再生を進めるためにも海岸林樹木の塩水冠水耐性の評価が必要である。そこで、本研究では樹液流速のモニタリングを行うことで、海水による冠水後の樹木の反応の系時変化を明らかにすることを試みた。 <br> 実験は海水浸漬を24時間行ったものとコントロールの処理区を設置した。実験対象樹木はクロマツとタブノキとし、それぞれの実験区に7本ずつ用いた。タブノキでは、海水浸漬処理後、24時間後には葉の変色が観察され、1ヶ月後にはほぼ全ての葉が変色した。一方のクロマツでは、処理後に樹液流速が減少したものと変わらないものが観察された。葉の変色は処理後18日後より観察されたが、2ヶ月後にも枯死した個体は見られなかった。樹液流速は、タブノキでは海水浸漬処理後より減少してほぼ0となり、そのまま回復しなかった。一方のクロマツでは処理後に減少した個体とほぼ変化しなかった個体が見られた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682278912
  • NII論文ID
    130005048614
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.476.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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