山火事跡地で萌芽更新したコナラ幼齢林の開花結実挙動

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タイトル別名
  • Variation of flowering fruiting young forest of Quercus serrata has been updated in the site of forest fire

抄録

 2002年3月に長野県松本市で発生した山火事跡地では、焼失したアカマツ林の林床に成立していたと見られるコナラが萌芽更新により再生した。このコナラを追跡していたところ、2004年秋に結実個体が確認され、翌春には実生個体も認められた。コナラの繁殖早熟性とその経年変化を追跡するため、2005年11月に山火事跡地の2ヶ所(斜面上部と下部)に試験区を設け、2012年10月まで春の開花及び秋の結実状況を調査した。2006年から2012年までの7年間における開花結実状況を見ると、春の開花本数割合は、斜面上部では20%程度、斜面下部では50%程度と、毎年ほぼ同じ割合で開花しており年変化は小さかった。開花個体の63%は7年間連続して開花しており、開花個体は幼齢時から10年生時まで概ね固定していた。一方、年によって開花と無開花の間で変化する個体は、全体の20%程度と少なかった。結実本数割合は年変動が大きく、コナラの種子豊凶は結実段階で発生していた。また、現地の観察では開花個体が周辺の無開花個体より成長が遅いため被圧されている印象があり、成長と繁殖の間でトレードオフが起きている可能性が考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706370688
  • NII論文ID
    130005048637
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.497.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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