暖温帯山地渓畔域における針葉樹人工林伐採後4年間の水生昆虫相の経時変化

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タイトル別名
  • Changes in aquatic invertebrate assemblage during for 4 years after logging of conifer plantations in a warm temperate mountainous riparian zone

抄録

【目的】渓畔林は陸域と水域の接点として重要な生態系であり、集水域レベルでの森林管理においては人工林化された渓畔林の修復が求められている。しかしながら、渓畔林修復に伴う人工林の伐採が渓流生態系に与える影響についての情報は極めて少ない。本研究では、人工林化された渓畔林の伐採が水生昆虫に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、伐採後4年間にわたり水生昆虫の個体数をモニタリングした。【方法】宮崎県高岡町去川国有林内の渓畔林の針葉樹人工林区間と広葉樹二次林区間に2009年に調査地を設置した。針葉樹人工林区間では2009年10月に部分的伐採が行われた。両区間で河川微地形(瀬、淵)とリター有無に着目して水生昆虫の採取を行った。水生昆虫は摂食機能群に分類して、解析を行った。【結果】伐採は水生昆虫、特に破砕食者及び剥ぎ取り食者の個体数を増加させる傾向があった。破砕食者の増加は、伐採に伴う大量のスギリターの一時的な供給によって餌資源が増加したためと考えられた。剥ぎ取り食者に関しては伐採による樹冠の疎開により、餌となる藻類量が増加し、個体数が増加したと考えられた。その効果は4年目にも確認することができた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706373120
  • NII論文ID
    130005048638
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.498.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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