海岸のクロマツ菌根に由来する Cenococcum geophilum の 異なる温度条件下における菌糸伸長

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タイトル別名
  • Mycelial growth of Cg at different temperature conditions originating from Pinus thunbergii mycorrhizas at coastal forests

抄録

【目的】夏期に40℃を越す海岸砂地の表層地温は,生物への強い熱ストレスであると考えられる.海岸のクロマツ林では外生菌根菌Cenococcum geophilum(以下,Cg)が優占することが明らかにされている.本研究では,熱ストレスがCgの生育に及ぼす影響を明らかにするため,高温条件における同菌の菌糸伸長を調べた.【方法】5県6カ所(富山県,石川県,静岡県,愛知県,三重県)の海岸クロマツ林分に由来するCg菌株を4段階の温度処理条件下(25,30,35,40℃区)で2週間培養した.直交する2方向への菌糸伸長を菌糸伸長量として算出した.菌糸伸長が確認されなかった菌株は25℃でさらに2週間培養した.【結果】25℃区と30℃区で菌糸伸長がみられ,35℃区,40℃区ではいずれの菌株も全く伸長が認められなかった.しかし,後者の温度区の菌株を25℃で培養すると,35℃区由来の37.5%(15/40菌株)で菌糸の伸長が確認された.高温条件下でCgは菌糸体の生長を停止させたが,生残していたと考えられる.以上から熱ストレスがCgの生育に及ぼす影響を調査地間で比較し,議論したい.<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682743552
  • NII論文ID
    130005048822
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.663.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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