近赤外分光法を用いた樹木個葉生理特性の解析

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タイトル別名
  • Physiological analysis of tree leaves using near-infrared spectrophotometry

抄録

高CO2条件下では光合成産物が葉内に蓄積し、光合成速度の低下が生じる現象が示唆されている。こうした光合成生産物蓄積量のハイスプールットな分析手法は、今後の代謝物解析にとって大きな課題である。本研究は、冷温帯林主要構成樹種であるエゾノキヌヤナギ、シラカンバ、イタヤカエデを対象に、1000nm-2500nmの波長を用いて可用性糖類とデンプンの濃度分析を試みた。約2ヶ月間CO2暴露栽培をおこなった試料を、5nmの分解能を持つ近赤外ハイパースペクトルカメラ(SWIR200-R Emerging Technologies MS,USA)で撮影し、化学分析による定量値と比較した。その結果、凍結乾燥によって水分を除去することで、重量ベースの可溶性糖類濃度と吸光度の間に樹種を統一した検量線を作成でき、可溶性糖類濃度の簡便な予測が可能になった。一方デンプン濃度は、各樹種個別に検量線を作成することができるが、統一的な検量線の作成は困難であった。これはデンプンが構造の異なるグルコースの結合体が多数重合した物質であり、その配分率によって吸光度が変化するからであろうと考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706546560
  • NII論文ID
    130005049010
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.832.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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