Eucalyptus camaldulensisの根における加水分解性タンニンによるアルミニウム無害化

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タイトル別名
  • A hydrolyzable tannin detoxifies aluminum in roots of Eucalyptus camaldulensis

抄録

Eucalyptus camaldulensis(ユーカリ)は、酸性土壌で問題となるアルミニウム(Al)に強い耐性を示す。演者らは、これまでユーカリの根からAl結合能力を持つ加水分解性タンニンを分離している。本研究は、この加水分解性タンニンの構造を決定し、Al耐性における役割を明らかにすることを目的とする。2~4ヶ月生のユーカリの実生を水耕栽培し、根からAl結合物質を抽出・分離した。分離したAl結合物質を、NMR分析等により、グルコース2個にガロイル基とバロネオイル基が2個ずつ大環状に結合した加水分解性タンニンOenothein Bと同定した。質量分析(FAB-MS)の結果(m/z 1569 [M+H]+)も、その結論を支持した。また、1 mM AlCl3とOenothein B(0.25~1 mM)の混合液(pH 4.0)を限外濾過(分画分子量1万)したところ、9割以上のAlが限外濾過膜を通過しなくなったことから、AlとOenothein Bの相互作用を確認できた。ユーカリの根では、Oenothein BとAlの結合がAlの無害化に寄与していると考えられる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205706541824
  • NII論文ID
    130005049017
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.839.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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