マウス雄核発生胚由来栄養膜幹細胞におけるCdx2の発現はFGF4に依存しない
-
- MORIMOTO Hiromu
- depertment of biosience,Tokyo university of agriculture
-
- TAKYU Ryuiti
- depertment of biosience,Tokyo university of agriculture
-
- OGAWA Hidehiko
- depertment of biosience,Tokyo university of agriculture
-
- KONO Tomohiro
- depertment of biosience,Tokyo university of agriculture
Abstract
【目的】栄養膜幹細胞(TS細胞)はFGF4存在下で転写因子Cdx2を発現し未分化状態を維持する。またFGF4を除去することによりCdx2の発現が低下し栄養膜巨細胞(TG細胞)を始めとする胎盤を構成する細胞に分化する。我々は第105回日本繁殖生物学会において雄ゲノムしか持たない雄核発生胚由来栄養膜幹細胞(ATS細胞)はFGF4除去後,TG細胞へ分化するが,Cdx2の遺伝子発現が低下しないことを報告した。そこで本実験ではFGF4除去後のATS細胞においてCdx2の遺伝子発現が低下しない理由を明らかにすることを目的とした。【方法】FGF4除去後0~6日目の細胞におけるCdx2遺伝子の発現解析をReal-Time PCR法により行った。また同時期の細胞におけるCDX2タンパク質の定量解析および局在解析を行った。さらに,pHH3抗体を用いた免疫染色を行い,FGF4除去後のM期の細胞数の変化を調べた。【結果】TS細胞ではFGF4を除去した後にCdx2のmRNAの発現量が低下したのに対し,ATS細胞では発現が維持されていた。またCDX2のタンパク質量についても同様の結果が得られた。このことからATS細胞はTS細胞と異なり,FGF4を除去した後もCdx2の発現を維持していることが再確認できた。そこでFGF4除去後にCDX2を発現している細胞を特定するために局在解析を行った結果,ATS細胞から分化したTG細胞のうちCDX2を発現している細胞が存在した。さらにFGF4除去後のATS細胞においてM期の細胞数の減少がみられなかった。したがってATS細胞ではFGF4除去後も細胞増殖が続いていることが明らかとなった。以上の結果からATS細胞においてFGF4除去後もCdx2の発現が維持される理由として以下の2つのことが考えられた。1,FGF4除去後もCdx2を発現して増殖を維持する細胞が存在した。2,分化したTG細胞にCdx2を発現する細胞が存在した。
Journal
-
- The Journal of Reproduction and Development Supplement
-
The Journal of Reproduction and Development Supplement 106 (0), OR1-18-OR1-18, 2013
The Society for Reproduction and Development
- Tweet
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680693002496
-
- NII Article ID
- 130005051029
-
- Text Lang
- ja
-
- Data Source
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- Abstract License Flag
- Disallowed