ラット子宮内膜間質細胞において時計遺伝子Rev-erbαはGdf15の発現を抑制的に制御する

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抄録

【背景】概日時計を駆動するコア時計遺伝子を欠損するマウスが不妊を示すことから,生殖と生体時計との関係が注目されている。子宮においても時計は振動しているが,その生理的機能については未だに明らかではない。我々は,ラット子宮間質細胞で発振する時計と連動する遺伝子をDNA microarrayで網羅的に解析した。本研究では,そのうち核受容体でもあるRev-erbαと逆位相を示して変動が大きい(fold change, >1.0)遺伝子Gdf15(MIC-1)について,Rev-erbαによる制御についてそのアンタゴニストを用いて解析した。【方法】4.5日妊娠ラットから間質細胞を分離し,24ウェルプレートに播種(5×104個),血清含有培地で48h培養し,P4およびRev-erbαのアンタゴニストSR8278を含む無血清培地と交換した。また,時計の振動を微弱にするためにsiRNAでBmal1のノックダウンを行なった。いずれも24h後にデキサメサゾンで細胞の同期化して,生物発光をモニターした。生物発光振動の第1位相から6 h間隔で培養細胞より総RNAを抽出し,RT-qPCRによりGdf15の発現を測定した。【結果】SR8278を添加するとBmal1発現の位相が約6 hほど後にシフトし,Rev-erbα発現の位相が前にシフトした。また,Bmal1の発現が4倍ほど増加した。このような時計遺伝子の振動の変化の中で,Gdf15は約6hほど前にシフトすることが認められ,しかも10倍以上の発現増加が見られた。Bmal1の発現増加はRev-erbαによるフィードバックループによるBmal1発現抑制が弱まったこと,Gdf15の発現もRev-erbαによる抑制の解除に起因するものと考えられる。以上の結果から,子宮間質細胞ではコア時計遺伝子Rev-erbαは妊娠と密接に関係するGdf15の発現を抑制的に制御していることが明らかになり,時計遺伝子Rev-erbαによる抑制解除が胎盤形成へのシグナルになることが示唆される。

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  • CRID
    1390001205716193664
  • NII論文ID
    130005051034
  • DOI
    10.14882/jrds.106.0.or1-22.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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