ウシ子宮内膜間質細胞を用いたISG15およびIDO1遺伝子上流配列のインターフェロン応答性の解析

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抄録

【目的】ウシ胚は,妊娠16日頃から,妊娠認識物質としてInterferon tau (IFNT)を分泌することが知られている。しかし,現在のところ,簡便に利用できるバイオアッセイは存在しない。我々はアッセイ系の確立のため,IFN応答性遺伝子であるISG15 ubiquitin-like modifier (ISG15)およびindoleamine 2,3-dioxygenase 1 (IDO1)の上流配列についてIFN応答能を検証した。<br>【方法】排卵後1–4 日の黒毛和種ウシ子宮内膜から樹立した線維芽細胞 (間質細胞)を遺伝子導入に用いた。ルシフェラーゼ遺伝子上流にウシISG15およびIDO1上流配列 (-1127–+75,-1275–+24)およびその欠失配列を組込んだベクターを作成し,細胞に導入した。培養液に組換えウシIFNT,IFNαもしくはIFNγを添加し,12時間培養後,発光量の変化を検討した。<br>【結果】 ISG15上流配列導入細胞では,全てのIFNに反応し発光量が上昇した。このうちISG15 (-1127–+72)を導入した場合が最も発光量が高く,-1127–-528 間の欠失により発光量は減少した。一方,IDO1 上流配列を導入した細胞ではIFNγ添加時に,特異的な発光を認めた。その発光量は-1275–-346 および-212–-183 間の欠失により減少した。これらの結果より,ウシISG15ではInterferon-stimulated response element (ISRE) (-74–-87および-80–-93)およびISRE類似配列 (ISRE like element) (-843–-856)がIFNT,IFNαおよびIFNγの応答に,IDO1ではISRE (-106–-119)およびISRE like element (-192–-205および-493–-506) がIFNγの応答に関与していることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715591296
  • NII論文ID
    130005051224
  • DOI
    10.14882/jrds.106.0.p-90.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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