電解質異常をきたした直腸巨大絨毛腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A Case of Rectal Villous Tumor with Electrolyte Depletion Syndrome

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抄録

症例は62歳,女性。平成7年9月頃よりめまい,脱力感,粘液性下痢が出現したため近医を受診した。脱水症と診断され,点滴治療を受けたが軽快せず,また大腸内視鏡検査で直腸に腫瘤が発見されたため,精査加療目的で当院に紹介された。当院受診時,下痢に伴う脱水および著明な血清電解質異常(Na 137mEq/l,K 2.2mEq/l,Cl 82mEq/l)が認められた。内視鏡検査で直腸に巨大な絨毛腫瘍が認められ,また生検組織診で中等度異型を伴う絨毛腺腫と診断されたため,肛門括約筋を温存した外科的切除が施行された。腫瘍は大きさが17×9.5cmで,表面は絨毛状を呈し,組織学的には粘膜内に限局した高分化型腺癌であった。術後,血清電解質は正常化した。本邦における電解質異常をきたした大腸絨毛腫瘍の報告はこれまでに25例にすぎず,まれな症例と考えられたため報告した。

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参考文献 (6)*注記

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