傍腫瘍神経症候群を伴った肺扁平上皮癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Squamous Cell Lung Cancer Associated with Paraneoplastic Neurological Syndrome

この論文をさがす

抄録

背景.傍腫瘍神経症候群は肺小細胞癌に合併することが多く,肺扁平上皮癌に合併することは稀であるが,今回我々は肺扁平上皮癌に合併した稀な症例を経験した.症例.60歳男性.2011年1月より両下肢のしびれを認め近医を受診し,傍腫瘍神経症候群と診断され当院へ精査目的で紹介受診となった.精査の結果,肺扁平上皮癌が原因と判明した.ドセタキセルとカルボプラチンによる化学療法を2クール行い,腫瘍は縮小傾向も神経症状は改善しなかった.2クール目終了後に肺炎を合併し入院となった.血液検査で抗Hu抗体が陽性であり,増悪する神経症状に対する治療として3クール目の化学療法後に7回の血漿交換療法を施行した.しかし,神経症状は改善を認めず,原病の増悪により死亡退院された.結論.肺扁平上皮癌に傍腫瘍神経症候群が合併することが稀ながら存在することに留意し,可能な限り早期に診断し,癌に対する治療と免疫学的治療を開始することが望ましいと考える.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 55 (1), 36-41, 2015

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ