整復後早期に再発した原発性小腸軸捻転症に対してNoble手術が有効であった1例

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  • A Case of Recurrent Primary Small Bowel Volvulus Treated with Noble’s Procedure

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抄録

患者は精神発達遅滞がある33歳の男性。嘔吐を繰り返しイレウスが疑われ紹介受診。腹部CT検査で,小腸および間膜が上腸間膜動静脈を軸として渦巻き状に回転する所見(whirl sign)と腸管の造影不良があり,緊急手術を施行した。小腸全体が反時計方向に捻転し色調不良を認めたが,捻転を解除することで速やかに改善したため整復のみで終了。解剖学的異常や腫瘍,索状物を認めず,原発性小腸軸捻転症と診断した。第29病日に嘔吐し,腹部CT検査でwhirl signを認めたため緊急手術を施行したところ,前回同様に小腸が反時計方向に捻転し,色調不良を認めた。捻転解除により小腸の色調は回復したが,再々発の予防のためにNoble手術を併施した。原発性小腸軸捻転症の治療は可逆的な血流障害であれば捻転整復のみでよいとされるが,初回の捻転解除後早期に再発したため,腸管固定術であるNoble手術を併施し良好な結果を得た。

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