食道癌手術時に造設した空腸瘻から腸管脱出・嵌頓をきたした1例

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  • A Case of Prolapse and Incarceration Caused by a Feeding Jejunostomy Tube Following Esophagectomy

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抄録

要旨:71歳,男性。主訴は空腸瘻造設部の腸管脱出。約6年前に当科でT1食道癌に対し縦隔鏡補助下食道切除術,胃管再建,空腸瘻造設を施行した。手術終了し抜管後,喉頭痙攣による気道閉塞をきたし,低酸素脳症および遷延性意識障害となった。術後6年が経過し,経管栄養チューブは14-Fr尿道バルーンカテーテルを使用していた。何の契機もなく突然に,空腸瘻造設部から腸管の粘膜面が反転した状態で約10cm体外へ脱出・嵌頓をきたし,一部壊死を認めたため,緊急手術を施行した。脱出・嵌頓した腸管を切除し,機能的端々吻合を行い,吻合部の肛門側空腸に空腸瘻を再造設した。栄養チューブには8-Fr 成分栄養チューブを使用した。切除標本の先進部に腫瘍はなかったが,小腸全層が壊死していた。長期間の空腸瘻による栄養管理中に,栄養チューブの刺入部から腸管が脱出し嵌頓した症例を経験したので報告する。

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