Bevacizumab併用化学療法中に痔瘻を合併した大腸癌3例の経験

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Anal Fistula during Bevacizumab-containing Chemotherapy for Colorectal Cancer
  • 臨床経験 Bevacizumab併用化学療法中に痔瘻を合併した大腸癌3例の経験
  • リンショウ ケイケン Bevacizumab ヘイヨウ カガク リョウホウ チュウ ニ ジロウ オ ガッペイ シタ ダイチョウ ガン 3レイ ノ ケイケン

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抄録

Bevacizumab(以下BVと略記)併用化学療法は,進行再発結腸直腸癌治療に大きな治療効果をもたらしている.一方,重篤な副作用もあり,瘻孔形成は0.33%と報告されている.当院でBV併用化学療法中に,3例の痔瘻合併を経験したので報告する.1例は上行結腸癌肝転移,2例は直腸癌肺転移の症例で,3症例とも原発巣切除後であり,いずれも痔瘻を発症,1例は直腸膣瘻も合併していた.瘻孔形成までは4週~10カ月,投与回数は2~17回と一定の傾向はなかった.全症例で,術後の排便障害や化学療法による下痢を認め,直腸肛門部の粘膜障害が存在した状態に,Bevacizumabの創傷治癒遅延,血管新生阻害などの作用が加わり,瘻孔を生じた可能性が考えられた.1例は治療中断により病勢が進行し,2例では人工肛門造設を要した.瘻孔は発症すると患者のQOLを低下させるため,BV併用化学療法の際には留意すべき合併症である.

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参考文献 (24)*注記

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