左開胸胃全摘と下行大動脈置換を同時施行した大動脈血栓を伴った胃癌の1例

  • 石橋 雄次
    国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科
  • 真崎 純一
    国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科
  • 齋藤 洋之
    国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科
  • 大森 敬太
    国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科
  • 若林 和彦
    国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科
  • 伊藤 豊
    国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科

書誌事項

タイトル別名
  • Total Gastrectomy, Lower Esophagectomy, and Descending Aorta Replacement in a Patient with Gastric Cancer and Thrombus in the Descending Aorta
  • 症例 左開胸胃全摘と下行大動脈置換を同時施行した大動脈血栓を伴った胃癌の1例
  • ショウレイ サカイキョウ イ ゼンテキ ト カコウ ダイドウミャク チカン オ ドウジ シコウ シタ ダイドウミャク ケッセン オ トモナッタ イガン ノ 1レイ

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抄録

症例は66歳,女性.食事のつまり感を主訴に近医受診.胃癌の診断で当院紹介となった.上部内視鏡検査で食道浸潤を伴う噴門部から胃体上部に広がる腫瘍を認めた.腹部CT検査で噴門部から胃体上部に全周性の壁肥厚を認めた.また,下行大動脈に約2cmの壁在血栓を認めた.以上より食道浸潤胃癌,下行大動脈血栓症と診断した.胃癌は既に通過障害を認めており,血栓も約2cmと大きく塞栓症を起こす危険性が高いため,両疾患ともに早急に手術が必要な状態であった.左開胸開腹下部食道切除,胃全摘術と下行大動脈置換術を一期的に施行した.術後100病日に自宅退院となり,術後6カ月経過し癌の再発と血栓症の再発を認めていない.悪性腫瘍に血栓症が併発することは稀ではなく,本症例のように血栓症と悪性腫瘍の手術を同時に施行せざるを得ない状況がありうる.手術の侵襲と患者の全身状態,予後等を総合的に判断し治療方針を決定すべきである.

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参考文献 (2)*注記

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