初発発生した肛門原発IgG4関連疾患の1例

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タイトル別名
  • A Case of IgG4-related Disease Occurring Primarily in the Anus

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抄録

IgG4関連疾患は,血清IgG4の上昇と病変組織へのIgG4陽性形質細胞の浸潤を特徴とする慢性疾患である.症例は72歳,男性.肛門痛・残便感・腫瘤脱出・下腹部痛を認め来院となった.肛門管の3時方向に腫瘤性病変を認め,各種画像検査・組織生検検査にても確定診断がつかず,腫瘤脱出と疼痛症状を認めていたため経肛門的腫瘤摘出術を行った.病理組織検査でIgG4染色陽性の形質細胞浸潤が認められ,血清の高IgG4血症(303mg/dl)とあわせてIgG4関連疾患と診断した.手術後は外来にて経過観察を行っていたが,肛門部の疼痛症状が持続し,手術後にもかかわらず血清IgG4の高値を認めたためプレドニゾロン15mg/日の投与を開始した.以後は疼痛症状が改善し,血清IgG4値も正常値化した.国内外の文献的検索を行ったが,肛門管に生じたIgG4関連疾患の報告はなく,診療上で留意すべき疾患と考えられたので報告する.

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参考文献 (5)*注記

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