慢性壊死性肺アスペルギルス症の病態と発生病理

  • 田代 隆良
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻

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タイトル別名
  • Pathogenesis of Chronic Necrotizing Pulmonary Aspergillosis
  • マンセイ エシセイ ハイ アスペルギルスショウ ノ ビョウタイ ト ハッセイ ビョウリ

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抄録

慢性壊死性肺アスペルギルス症 (CNPA) は,アスペルギルス感染によって,緩徐進行性に肺が破壊される病態である. 主要画像所見は,慢性浸潤影と進行性の空洞形成であり, 菌球は二次的に形成される. 気腫性嚢胞のような気腔が存在する可能性は否定できないが, 明らかな既存空洞はない. 慢性空洞性肺アスペルギルス症 (CCPA) は複雑性肺アスペルギローマと同義であり, 既存のあるいは新しく形成された, 1 個または複数の空洞を呈し, 菌球はあることもないこともあり, 空洞拡大, 空洞周囲浸潤影増強が見られる. 発症時からの画像経過を追える症例では, 空洞形成過程を観察することにより CNPA と CCPA の鑑別は可能である. しかし, 画像経過を追えない症例や, 両者の中間あるいは overlap 症例では鑑別困難であり, 臨床的, 治療的観点から, 両者を統合した症候群として, 慢性進行性肺アスペルギルス症 (CPPA) が提唱された.

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