宿便による広範囲壊死型閉塞性大腸炎の1救命例

• 香川 哲也

  総合病院三原赤十字病院外科

• 小林 達則

  総合病院三原赤十字病院外科

• 上山 聰

  総合病院三原赤十字病院外科

• 岡林 弘樹

  総合病院三原赤十字病院外科

• 末光 一三

  総合病院三原赤十字病院放射線科

• 荻野 哲也

  総合病院三原赤十字病院病理部

書誌事項

タイトル別名

• Obstructive Colitis due to Fecal Impaction: A Case Report and Review of the Literature

抄録

症例は63歳の女性で，来院2時間前に軽度の間歇的腹痛を自覚した．同日排便がなかったことから便秘と判断し，浣腸薬を使用したところ，症状が増悪したため当院救急外来を受診した．理学的所見は乏しかったが，経過観察目的で同日入院した．発症9時間後，腹痛が増悪して持続痛となり，11時間後には意識レベルの低下と頻脈，頻呼吸が出現した．腹部単純造影CTにて，腸管気腫および門脈ガス血症を伴う，全結腸の高度拡張を認めた．S状結腸には4 cm大の便塊が認められ，宿便による閉塞性大腸炎，敗血症性ショックの診断にて緊急手術を行った．便塊による閉塞部から近位側の全結腸が壊死に陥っていたため，結腸亜全摘術および回腸人工肛門造設術を施行した．昇圧剤持続投与，エンドトキシン吸着療法などの集学的治療により救命しえた．宿便による閉塞性大腸炎の本邦報告例は，自験例を含めて13例のみと極めてまれであるため報告する．

収録刊行物

• 日本消化器外科学会雑誌

  日本消化器外科学会雑誌 48 (4), 365-373, 2015

  一般社団法人 日本消化器外科学会

キーワード

• 閉塞性大腸炎
• 便秘
• 下剤

詳細情報

• CRID: 1390001204917668224
• NII論文ID: 130005065292
• DOI: 10.5833/jjgs.2014.0093
• ISSN: 13489372
• ISSN: 03869768
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjgs/48/4/48_2014.0093/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2015241770
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可