経横隔膜裂孔的に急速に胸腔内にまで進展した後腹膜原発骨外性骨肉腫の1切除例

書誌事項

タイトル別名
  • Resection of a Very Large Retroperitoneal Extraskeletal Osteosarcoma that Grew into the Thoracic Cavity after Tearing the Diaphragm

この論文をさがす

抄録

症例は28歳の女性で,上腹部膨隆で近医を受診した.臍部から左上腹部に有痛性の硬い腫瘤を触知し,上腹部の圧迫感を伴っていた.CTでは左上腹部に径25 cm大の巨大な腫瘍で膵脾を背側に,胃を内側に圧排していた.また,横隔膜裂孔から左胸腔内に進展し,左肺下葉に無気肺を生じていた.巨大腹腔内腫瘍として手術を予定したが,待機期間に胸腔内の腫瘍が更に進展して,胸腔が腫瘍と胸水に満たされた状態となった.後腹膜原発の間葉系腫瘍の診断で,開胸開腹で手術を施行した.腫瘍は後腹膜原発と考えられ,横隔膜,心膜,胸膜,左肺に浸潤し,腫瘍摘出・横隔膜・心膜・胸膜・左肺下葉摘出,横隔膜・心膜パッチ修復術を施行した.術後経過は良好で,術後19日目に軽快退院した.病理組織学的検査では,類円形核を有し,異型,多形の目立つ腫瘍細胞が増生し,細胞間に腫瘍性の骨,類骨が形成されており,骨外性骨肉腫と診断された.

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ