血管内大細胞型B細胞リンパ腫の中枢神経再発予防としておこなったmethotrexate大量療法後の亜急性脳症

書誌事項

タイトル別名
  • Subacute encephalopathy after high-dose methotrexate as prophylaxis for central nervous system relapse in a patient with intravascular large B-cell lymphoma
  • 症例報告 第1回日本血液学会関東甲信越地方会 会長推薦演題 血管内大細胞型B細胞リンパ腫の中枢神経再発予防としておこなったmethotrexate大量療法後の亜急性脳症
  • ショウレイ ホウコク ダイ1カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ カイチョウ スイセン エンダイ ケッカン ナイ ダイ サイボウガタ B サイボウ リンパシュ ノ チュウスウ シンケイ サイハツ ヨボウ ト シテ オコナッタ methotrexate タイリョウ リョウホウ ゴ ノ アキュウセイ ノウショウ

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抄録

症例は52歳女性。寝汗,息切れの精査でLDH高値及び肝脾腫を指摘され,ランダム皮膚生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma, IVLBCL)と診断された。診断時,神経症状や核磁気共鳴画像法(MRI)で中枢神経(central nervous system, CNS)浸潤を認めなかった。R-CHOP療法6コース後CNS再発予防目的にmethotrexate (MTX)大量療法を行った。2コース目のMTX投与7日目に右顔面,右上肢に不全麻痺が出現したが,発症日のMRI, 髄液検査では異常は見られなかった。症状は徐々に改善し発症後4日目に消失したが,MRIで神経症状と一致しない異常所見が出現した。以上からMTX関連亜急性脳症と診断した。神経症状は発症後12ヶ月の時点で再燃を認めず,IVLBCLは完全奏効を維持している。MTX投与後に可逆性の脳梗塞様の症状を来す亜急性脳症の報告は小児急性白血病患者で多くみられる一方,成人リンパ腫治療における報告は少ない。成人においてもMTX大量療法後の亜急性脳症は注意すべき合併症と考え,文献的考察を含め報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (3), 329-334, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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