胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術後にステントグラフト狭窄を来し,バルーン拡張により末梢塞栓症を生じた1 例

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  • Distal Embolization following Balloon Expansion for Stent Graft Stenosis after Thoracic Endovascular Aortic Repair

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抄録

要旨:遠位弓部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術(TEVAR)を施行.術後造影CT でエンドリークを認めず,経過良好にて退院した.しかしながら,術後3 カ月後の造影CT においてステントグラフト狭窄を認め,同部に対しバルーン拡張術を施行した際に,大動脈瘤内の血栓が末梢に飛散し,腹部大動脈閉塞,左腎動脈閉塞を合併し,経カテーテル的血栓摘除術を必要とした.同時に,さらなる塞栓症を予防する目的で前回のステントグラフト末梢側に新たなステントグラフトを追加挿入した.第15 病日に右総腸骨から外腸骨動脈の残存血栓に対しベアステント留置を行い,第20 病日に無事,独歩退院となった.ステントグラフト狭窄に対するバルーン拡張術は,塞栓症のリスクを伴い慎重に施行すべきであると考える.

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