B 型急性大動脈解離に合併した完全対麻痺に対し緊急TEVAR が有効であった1 例

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  • A Case of Emergency Thoracic Endovascular Stent Graft for Paraplegia Caused by Acute Type B Aortic Dissection

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抄録

要旨:症例は62 歳男性.突然の腹痛を自覚した後両下肢が全く動かなくなり近医受診,CT にて大動脈解離を疑われ当院に緊急搬送となった.CT では胸部下行大動脈にエントリーを有するB 型急性大動脈解離で造影後期相でも偽腔の血流は認めず腹部で真腔は高度狭小化していた.両側大腿動脈は微弱に触知した.下肢の高度虚血はなく運動障害は脊髄虚血によるものと判断し,側副血行路である内腸骨動脈の血流改善のためエントリー閉鎖目的の緊急胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)を行った.TEVAR 術後両側大腿動脈は良好に触知するようになり麻酔覚醒時から両下肢の動きを認めた.その後脊髄ドレナージを行いリハビリを経て術後42 日目に独歩でリハビリ病院へ転院となった.急性大動脈解離による肋間,腰動脈の血流障害により発症した脊髄障害に対し,側副血行路維持目的で行ったTEVAR と脊髄ドレナージは有効であったと考えられた.

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