慢性臥床例の呼吸機能と理学療法

  • 星 孝
    新潟医療福祉大学医療技術学部理学療法学科

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  • マンセイ ガショウレイ ノ コキュウ キノウ ト リガク リョウホウ

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抄録

肺の器質的病変が無くても,慢性的に臥床状況を呈する症例の呼吸機能は,狭い範囲の身体活動状態に適応し,低い状態で安定する傾向を持ちやすい。低い呼吸状態と低いレベルの身体環境は,肺炎などの二次的合併症の惹起率を高め,また,症例を現状の活動レベルから向上させようとする理学療法展開の際に問題になる。慢性臥床例の呼吸機能の低下は,換気能の低下に起因することも多く,それは,廃用と低活動状態の相互作用により影響される。これらのことから,理学療法士が慢性臥床例の呼吸機能を好転させる方向に導くためには,換気低下に影響する肺器質以外の因子にも目を向け,それらの因子の改善と,その改善から,次に症例の全身状態に対し良好な連鎖関係が及ぶように導くという指向が重要である。<br>

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