インフリキシマブからトシリズマブまたはエタネルセプトへスイッチした関節リウマチ症例の有効性についての検討

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  • Clinical outcomes of patients with rheumatoid arthritis after switching from infliximab to tocilizumab compared with etanercept

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抄録

目的:関節リウマチ(RA)症例でTNF阻害剤からスイッチする際に,別のTNF阻害剤であるエタネルセプト(ETN)と非TNF阻害剤であるトシリズマブ(TCZ)で有効性の差異があるかどうか検討した.<br> 対象・方法:生物学的製剤の第1選択薬としてインフリキシマブ(IFX)が投与され,第2選択薬としてTCZまたはETNを使用したRA症例とした.TCZ(21名)またはETN(47名)投与開始から12カ月後まで3カ月毎にCDAI,SDAI,DAS28(CRP)を評価した.<br> 結果:IFX中止理由は,TCZ群とETN群でそれぞれ,一次無効48%と34%,二次無効24%と23%,有害事象19%と26%であった.12か月後の継続率はTCZ群が76.2%でETN群が85.1%であり,有意差はなかった.背景因子では,ETN群に比べてTCZ群でCRPが有意に低かった.TCZ群もETN群も全評価項目がいずれの評価時点でも開始時に比べて有意に低下していた.CDAI,SDAIとDAS28(CRP)では全体としてETN群とTCZ群において両群間に有意の差はなかった.<br> 結論:TNF阻害剤であるIFXからのスイッチ症例において,同じTNF阻害剤であるETNであってもIL-6阻害剤であるTCZであってもともに有効であり,両群間に有効性の差はなかった.

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 26 (2), 114-120, 2014

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

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