肝硬変合併肝癌に対し二期的に腹腔鏡下脾摘・肝部分切除を施行した1例

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  • Two-Stage Laparoscopic Splenectomy and Hand-Assisted Laparoscopic Partial Hepatectomy for a Case of Liver Cancer Complicated by Cirrhosis

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抄録

患者は72歳,女性.肝S6の肝硬変合併肝癌に対して当院消化器内科にて肝動脈塞栓療法(TAE)を施行後,同部位に再発を認め,手術目的に当科紹介となった.血小板減少を認め,脾摘により血小板数を改善することで肝切除時の出血量を減らす目的で,腹腔鏡下脾摘を先行した.術後,速やかに血小板数の増加を認め,合併症なく第12病日目に退院した.約1カ月後に二期的にhand assisted laparoscopic surgery(HALS)による肝部分切除を施行し,第16病日目に退院した.近年,肝硬変合併肝癌において病態をコントロールするために脾摘が先行される症例がみられるようになってきた.血小板減少がみられる患者に対する術中出血コントロール目的として,本術式は出血量を少なく安全に肝切除を施行することを可能とし,また,整容的にも比較的優れており,肝硬変合併肝癌症例に対する有用な治療法であると考えられた.

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